俺様常務の甘い策略
「だけど……私達ってたった一日一緒に寝ただけでしょう?妊娠の可能性はあったとしても、そもそも妊娠してないかもしれないじゃない。何で私に構うの?」

「何でかまだわからない?」

「まさか……私を好きだなんて言わないわよね?」

俺は秋月の顔をじっと見つめながら数秒間を置いて答えた。

「そのまさかだよ」

「……嘘だ」

「何で嘘だって思うの?」

優しく問いかければ、秋月はプイッと俺から視線を逸らした。

「だって……大学のオリンテーションの時、他のゼミ生の前であんた私の事貶してたじゃない。肌はボロボロで素っぴんは酷いとか言ってさ」

ああ……あの話、聞いてたのか。

だから、大学の時に俺を避けてたのか。

「あれは、秋月に変な虫がつかないようにしてたんだよ。お前に目をつけてた女癖の悪い連中がいたんでね」

「そうだったの?」

秋月が再び俺と目線を合わせる。
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