俺様常務の甘い策略
自分の過去にも現在にも常に藤堂がいて……今の私の生活にはどこへ行っても藤堂がいる。

早く婚活で金持ちのいい男ゲットして、幸せな結婚をって夢見てたんだけどな……。

これじゃあ、藤堂に邪魔されっぱなしじゃない。

この状態で婚活なんか出来ないよ。どうするの?

いつか王子様が……なんて甘い夢は私は見ない。

お金さえあれば両親にだって楽させてあげられるし、高校の時みたいに貧乏だって人に蔑まれることもなくなる。

藤堂達がいるようなキラキラした世界にずっと憧れてたんだ、私は。

「私って……これからどうなるんだろう?」

ポツリと呟くが答えなど返ってくるわけがなく……。

「あ~」

わめき声に近い溜め息をつく。

グダグダ考えたところで時間の無駄だ。シャワー浴びてスッキリしよう。

着替えを持ってバスルームへ向かう。

昨夜、藤堂の家を一人で探検したので、どこに何があるかはだいたい把握している。
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