俺様常務の甘い策略
藤堂の目が妖しく光る。

こういう目の時はヤバイと思って、私は冷たくあしらった。

「いいえ、結構。シャワー借りたいんだけど」

「ご自由にどうぞ。タオルは適当に棚に入ってるの使って。使い終わったやつは、そこの洗濯機の横の籠に入れておいてくれればいいから」

「わかった」

私は頷いて藤堂がバスルームから出るのをじっと待つ。

「早く脱いだら?」

藤堂に面白そうに促されるが、脱げるわけがない。

あんたがいるのに服なんか脱げるか‼

「あんたが出てくの待ってるんだけど」

腕組みしながら指で腕をトントンと叩いて早く出てけよアピールするが、藤堂はそれを見て面白そうに笑う。

「何恥ずかしがってんの?俺は沙羅が脱いでも全然構わないよ」

「私が構うの!それに、何勝手に下の名前で呼んでんのよ!」

「家の中でも名字って堅苦しいよ。同棲してるんだし良いよね?」
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