俺様常務の甘い策略
「ところで、何でケーキ食べないの?いつもなら真っ先にメニュー見て頼みそうなのに」

藤堂がテーブルの横のメニューを指差す。

「ダイエット中なの」

こっちは必死にケーキ断ちしてるんだから、わざわざ聞かないで欲しい。

素っ気なく答えれば、藤堂はそんな私を見てクスッと笑った。

「昨日あんなに焼肉食べてた人が何言ってるの」

「それは……」

「我慢するとストレス溜まるよ」

藤堂は手を上げてウェイターを呼ぶと、他にたくさんメニューがあるというのに何故かレアチーズケーキを注文。

ケーキが運ばれてくると、藤堂は私に勧めた。

「好きでしょ、レアチーズケーキ。大丈夫、毒は入ってないよ。惚れ薬は入ってるかもしれないけどね」

藤堂が私に向かって軽くウィンクする。

こいつ……。自分が格好いいのわかっててやるんだもん。狡い。

周りの女の子の目がハートになってるよ。
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