俺様常務の甘い策略
週末はずっと二人で過ごしたから、俺の名前を呼ぼうとする度に彼女は頬を赤く染めた。

そんな彼女をずっとからかい続けた俺は、結構意地悪な人間かもしれない。

今の沙羅はかなり俺を意識してるらしくて、俺が彼女の名前を呼んだだけでピクンと身体が震える。

もっともッと俺の事を意識すればいい。

固い氷の中でずっと眠っていた俺の姫。彼女を覆う氷はもう溶け出している。彼女が目覚めるまであともう少しだ。

「それにしても、俺が出張でいない間に同棲始めて……。しかも、再会してから一週間も経ってなかったんだろ?どんな魔法を使ったか知らないが、お前の事だから有無を言わさず秋月をまるめ込んだんだろうな」

「それは想像に任せるよ」

俺が誠司に向かってフッと微笑すると、こいつは眉をひそめた。

「……その顔、怖いぞ。秋月はお前が好きって言ったのか?」

「それはこれから」

「たいした自信だな。来月、子供が出来たって言われても驚かないぞ」
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