俺様常務の甘い策略
「そうだね。ひょっとすると、自分の身体の異変に気づいてしつこく俺に帰国するよう連絡してきたのかもしれないけど」

「そうなると、明日のスコット氏の訪問は大きな意味があるな」

「俺みたいな若造がいきなりトップに立つのをよく思わない連中はいる。アダムス石油とのパイプが強いとわかれば、頭の堅い連中だって黙るだろう」

「まあ俺なら、お前を敵に回そうとは思わねえな。報復が怖い」

誠司の言葉にニヤリとする。

「賢明だね。それで、お前の秘書なんだけど田中美鈴をつける。鍛えてやってくれない?」
「田中美鈴か……。可愛いけどプライド高そうなお嬢さんだな」

俺の言葉に誠司が眉をしかめる。

どうやら田中さんはこいつの苦手なタイプらしい。

「お前もはっきり言うね。お前、女の子の扱い結構上手いし、いいコンビになると俺は踏んでるんだけど」

「……いいコンビって……お前と秋月みたいにはいかねえぞ」

誠司が顔をしかめながらぼやく。

「俺達は最強だからね。でも、田中さんはやる気だから宜しく頼むよ」
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