俺様常務の甘い策略
実は先週の金曜の午後……そう俺がジェイクから秋月を奪還して戻ったあの日、田中さんが常務室に入ってきて言った。
「……藤堂さん、私……秋月さんに負けたくありません。一人前の……いえ、秋月さん以上の秘書になりたいんです。藤堂さんが言ってた私にピッタリの上司を紹介してくれませんか?」
俺を見据える田中さんの目は本気だったから、「いいよ」と快く言って俺はOKした。
「これは人助けでもあるよ、誠司」
「……簡単に言ってくれるな。断ったってお前は押し付けるつもりなんだろ?」
「人を育てるのも上に立つ人間には必要な事だよ」
「わかった、わかった。これ以上、お前に何か頼まれるのは嫌だから、俺はこれで退散する。急ぎの仕事が溜まってんだ」
ソファーから立ち上がると、誠司は常務室を出て行く。
そんな奴の背中に向かって俺は言った。
「残業は程ほどに。土産ありがとう。彼女も喜ぶと思うよ。チョコ好きだしね」
「……藤堂さん、私……秋月さんに負けたくありません。一人前の……いえ、秋月さん以上の秘書になりたいんです。藤堂さんが言ってた私にピッタリの上司を紹介してくれませんか?」
俺を見据える田中さんの目は本気だったから、「いいよ」と快く言って俺はOKした。
「これは人助けでもあるよ、誠司」
「……簡単に言ってくれるな。断ったってお前は押し付けるつもりなんだろ?」
「人を育てるのも上に立つ人間には必要な事だよ」
「わかった、わかった。これ以上、お前に何か頼まれるのは嫌だから、俺はこれで退散する。急ぎの仕事が溜まってんだ」
ソファーから立ち上がると、誠司は常務室を出て行く。
そんな奴の背中に向かって俺は言った。
「残業は程ほどに。土産ありがとう。彼女も喜ぶと思うよ。チョコ好きだしね」