俺様常務の甘い策略
「何で電話に出なかったの?今 、アパートにいるんだよね?」

『……着信に気づかなくて。アパートにいると言えばいるんだけど……』

沙羅が電話に出たことに安堵するが、彼女は何故かひそひそ声だった。

「何でそんな声なわけ?誰かいるの?」

俺は眉を寄せる。

何かおかしい。

『……今、泥棒が私の部屋にて……部屋の中荒らしてるんだけど……』

泥棒?

まさかと思うが、自分で捕まえる気か?

沙羅が変な気を起こす前に止めなくては……。

「警察に連絡するから、部屋から離れ‼」

『私が捕まえる。泥棒にバレるから切るね』

沙羅が俺の言葉を遮る。

「沙羅!」

俺が必死で呼び掛けたが、彼女はすぐに電話を切った。
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