俺様常務の甘い策略
「声を上げたら殺すぞ」

男の脅しに私は目で頷く。

落ち着け、落ち着け。私しか頼れる者がいないんだ。

それにしてもマズイ事になった。声を上げなくても私……殺されるんじゃない?

「お、落ち着いて。まだ、人生やり直し聞くし、この部屋から出て……‼」

「黙れ!」

男が私を怒鳴り付ける。

話し合いはあっさり決裂。この男は短気っぽい。

奴が持っていたナイフが私の喉元に少し食い込み、チクリと痛みが走った。

マジでヤバイ。本当に私……死ぬかも。

こんな事なら警察呼んでおとなしくしておけば良かった。

「今度口を開いたら、その綺麗な顔、りんごの皮みたいに剥くぞ」

男の猟奇的な目が怖くて、私の身体は驚愕のあまり震えた。

男はナイフで私の頬を軽くペチペチと叩く。
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