俺様常務の甘い策略
いろいろって何なの?聞くのが怖い。

私……目覚めはそんなに悪いはずじゃないんだけど……。

「毎日やるな!」

動揺しながら文句を言えば、こいつは悪魔顔で微笑む。

「せっかく、朝食作ったのに、そんな口の聞き方するなら俺が全部食べちゃおうかな」

「うっ……」

この意地悪男……。

それ以上は文句を言えずにいると、颯介がチュッと羽のように軽いキスをした。

不意打ちのキスに、私は何のリアクションも取れぬまま呆然とする。

「早く顔洗ってダイニングにおいで」

颯介は優しく微笑むと寝室から出ていった。

その姿を見送ると、私は深い溜め息をついた。

「……もう朝から心臓もたないよ」

私は両手で顔を覆った。

あいつは何でいつもあんな余裕顔なの?

照れもせずに自然とキス出来ちゃう颯介。
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