俺様常務の甘い策略
恋愛の経験値の差なんだろうか。

颯介への気持ちを自覚した今、何だか恥ずかしくてあいつを正視するのにも勇気がいる。

まさか朝からキスされるとは思わなかった。

そもそもあいつって……あんなストレートな奴だったっけ?

学生の頃に女の子と歩いてるのを見かけた時は、女の子が颯介にベタベタしてて、あいつはクールに接してた。

女の子に笑いかけても目は笑ってないような感じで……女には凄くドライな印象だった。

日替わりで違う女の子を連れてた事もあるし、あいつの過去の女性遍歴ってかなり派手だったような気がする。

だから、女に見られないようにって接してたんだけど……。

今のあいつは……私に微笑む眼差しも凄く優しくて……別人じゃないかと思ってしまう。

昨日の夜だって……私には手を出さず、ずっと抱いて寝てくれたようだった。

颯介がいなかったら一睡も出来なかったかもしれない。

あいつが渡したボールは今私が持ったまま。
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