俺様常務の甘い策略
私はどうすればいい?

自分の気持ちを認めて……颯介に伝えるのが怖い。

伝えたら……私達のこの関係はどうなるのだろう?

言いたい事を言い合えるこの関係が私は好きだ。

だから、変化が怖い。私が颯介に「好きだ」って伝えたら、あいつは私に興味を失うんじゃないだろうか?

そもそも私みたいな女を好きだって言うあいつがわからない。

何で私の事が好きなの?

私が料理しないのを颯介は知ってる。「女として終わってるね」とまであいつに言われた私だ。

多分……身内以外で私の性格を一番知ってるのは颯介だと思う。私が女なら夏海ちゃんのような可愛い子を選ぶ。自分で言うのも悲しいけど、私は可愛いげがないし女子力がない。

「……沙羅?どうかしたのか?」

スコット氏の声でハッと我に返った私は、失礼のないように両手で彼の手を握って握手した。

厚くて大きな手。
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