俺様常務の甘い策略
「初めまして。お目にかかれて光栄です」

「颯介から話を聞いたんだが、昨日は大変だったそうだね」

颯介の奴……。一体どこまでしゃべったのよ。

「いろいろと……計算外の事が起きて……」

私はひきつった笑みを浮かべながら、言葉を濁す。

昨日の無様な話はしたくない。

「颯介、今夜は彼女も一緒なんだろう?」

スコット氏が颯介に目を向ける。

「もちろん」

颯介が返事をしながら企み顔でチラリと私を見る。

今夜って……屋形船での会食の事?

何で私が一緒に?私は何も聞いてないんだけど……。

颯介に目で問い掛けるが、奴は黒い笑みを浮かべたままで何も言わない。

「夜ゆっくり君と話せるのを楽しみにしてるよ、沙羅。君にプレゼントがあるんだ。楽しみにしていてくれ」

スコット氏が私に向かって微笑むと、私は一礼してから退出した。
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