俺様常務の甘い策略
……お節介ジョージめ。

私に変なプレッシャー与えないでよ。

「今なら花火の音で他の人には聞こえないと思うよ」

颯介がクスッと笑う。

この余裕の笑顔が憎らしい。

私が何を言うかなんてわかってるくせに……。相変わらず意地悪だな。

気分はバレンタインにチョコを渡して告白する女子高生。

そもそも私が告白って……過去にないんだけど……。しかも……颯介に告白。

なんか……こいつに敗北を認めるみたいで悔しい。でも……伝えたいっていう思いの方が強くて……。

ええい、もうどうにでもなれ!

告白した後の事なんて考えるな!

「耳かっぽじってよく聞きなさいよ」

私はハアーと大きく息を吸うと、颯介に顔を近づた。

「私……颯介の事が好きみたい」

私が告白すると同時にドンと花火が上がる。

颯介は嬉しそうに私に向かって微笑んだ。

「わかった?もう言わないわよ!」

顔を真っ赤にして喧嘩腰で言えば、颯介はそんな私を見て悪魔の微笑を浮かべた。

「花火の音で聞こえなかったからもう一回」
< 217 / 299 >

この作品をシェア

pagetop