俺様常務の甘い策略
「好きな女抱くのは初めてって……あんたの歓迎会の夜、私達一緒にベッドで……」

「俺は何もしてないよ。沙羅が勝手に一人で脱いだだけ」

……何もしてない?ってことは、もちろん妊娠もしてないわけで……。

あの話は全部嘘?私はまんまとこいつに騙された訳?

「颯介ー!」

私が怒って颯介の襟を掴むと、こいつは悪びれずに言った。

「俺はね、好きな女手に入れるためなら手段は選ばない。沙羅はこの世にたった一人しかいないんだから、チャンスは絶対に逃さないよ」

颯介の曇りない綺麗な瞳が私を捉える。

「一生離さないから覚悟して」

私の目を見てそう告げると、顔を近づけてそっと口付けた。

颯介のキスは……私の硬い鎧を溶かしていく。

……私はこいつのキスが好き。

温かくて優しくて……時には意地悪で……私を狂わせる。
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