俺様常務の甘い策略
年齢に関係なく綺麗な女に手を出すんだ、あの人は。

だから、俺はジョージに沙羅は俺のだと念押しした。

浴衣姿の沙羅は凄く綺麗だったしね。

「でも……死んだ奥さんを愛してるんじゃあ?」

……死んだ奥さん?

さては、ジョージに担がれたな?

「ジョージは四回結婚して四回とも離婚。死別した妻はいないよ。ジョージにまんまと一杯食わされたんだよ」

俺の言葉に沙羅が目を丸くして絶句する。

「げ……」

「どうしたの?何か問題でも?」

沙羅の顔がだんだん青ざめていく。

「……いや、何でもない……けど、ジョージという人がわかった気がする」

そう呟いて沙羅が黙り込む。

多分、あの花火の夜、沙羅はジョージにお涙頂戴の話をされて告白すると決めたのだろう。

余計な事をしてくれたなって思うが、俺達は上手くまとまったし……ここはジョージに感謝すべきなんだろうな。
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