俺様常務の甘い策略
成田空港から二時間程車を走らせてやっと目的地に着く。
世田谷にある重厚な門の前に車を停車させ、チラリと腕時計に目をやる。時刻は午後八時三十分過ぎ。
「さあ、着いたよ」
シートベルトを外すと、俺は沙羅に向かってにっこり微笑んだ。
「……着いたって……ここ……」
門の表札を見た沙羅が言葉を失う。表札に書かれた文字は「藤堂」。
「そう、俺の実家」
「何で颯介の実家?」
沙羅は驚きで目を丸くしていた。
不意打ちで驚くのは当然だけど、こうでもしないと沙羅は俺の親には会おうとしないだろう。ジョージに言われて、行くならすぐがいいと思った。
「両親に沙羅を紹介しておこうと思って。結婚したら藤堂家の一員になるんだし。思い立ったが吉日って言うでしょ?」
「勝手に思い立つな!」
沙羅が拳を握り締め声を上げる。
世田谷にある重厚な門の前に車を停車させ、チラリと腕時計に目をやる。時刻は午後八時三十分過ぎ。
「さあ、着いたよ」
シートベルトを外すと、俺は沙羅に向かってにっこり微笑んだ。
「……着いたって……ここ……」
門の表札を見た沙羅が言葉を失う。表札に書かれた文字は「藤堂」。
「そう、俺の実家」
「何で颯介の実家?」
沙羅は驚きで目を丸くしていた。
不意打ちで驚くのは当然だけど、こうでもしないと沙羅は俺の親には会おうとしないだろう。ジョージに言われて、行くならすぐがいいと思った。
「両親に沙羅を紹介しておこうと思って。結婚したら藤堂家の一員になるんだし。思い立ったが吉日って言うでしょ?」
「勝手に思い立つな!」
沙羅が拳を握り締め声を上げる。