俺様常務の甘い策略
私の目をじっと見つめながら諭すように颯介が優しく言う。

「じゃあ、颯介がやれば良いでしょう?颯介が受けた仕事なんだから。私には無理よ」

私は颯介から目を逸らした。このままこいつの目を見ていると言いなりになってしまう。

「……残念。お前なら出来ると思ったんだけどな。原稿は出来たから、後はパワポだけなんだけどね。わかった。こっちで何とかするよ」

……何だろう?不気味だ。

いつもならもっと押して私を上手く丸め込むんだけどな。

あっさり引き過ぎる。

「俺……働き過ぎでストレス溜まると、夜どうなるかわからないよ」

私の目をじっと見つめながら、颯介が恐ろしい事を口にする。

その妖しく光る目に私は怯んだ。

夜どうなるかわからないって……ベッドの話?

怖いんですけど。

あの花火の夜みたいに一晩中ってのは勘弁して欲しい。次の日、足腰が立たなくなって仕事が出来なくなる。
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