俺様常務の甘い策略
私は自席の受話器を手に取り、会長の携帯に電話をかける。
会長はまだ車で移動中だったのか、すぐに電話に出た。
「……会長、落ち着いて聞いて下さい。藤堂さんと渡辺さんの乗った飛行機が消息を絶ちました」
『……すぐに社に戻る。まだこの事は社員には知らせないように。事実を確認する必要がある。航空会社からの連絡を待とう。専務には一応知らせておくてくれ。沙羅くん……大丈夫か?』
会長の呼び掛けに思わず目頭が熱くなる。
私の事まで気遣うなんて……。
「……私は大丈夫です。では後程」
私は気丈に振る舞って電話を切った。
「沙羅先輩、会長はなんて?」
「専務には伝えておくようにって。社員にはまだ伏せておいて」
「今日の十六時からの社内講演はどうします?」
夏海ちゃんの問いに私はどうしたら良いのか迷った。
「中止……ううん、待って。講演は予定通り準備する」
会長はまだ車で移動中だったのか、すぐに電話に出た。
「……会長、落ち着いて聞いて下さい。藤堂さんと渡辺さんの乗った飛行機が消息を絶ちました」
『……すぐに社に戻る。まだこの事は社員には知らせないように。事実を確認する必要がある。航空会社からの連絡を待とう。専務には一応知らせておくてくれ。沙羅くん……大丈夫か?』
会長の呼び掛けに思わず目頭が熱くなる。
私の事まで気遣うなんて……。
「……私は大丈夫です。では後程」
私は気丈に振る舞って電話を切った。
「沙羅先輩、会長はなんて?」
「専務には伝えておくようにって。社員にはまだ伏せておいて」
「今日の十六時からの社内講演はどうします?」
夏海ちゃんの問いに私はどうしたら良いのか迷った。
「中止……ううん、待って。講演は予定通り準備する」