俺様常務の甘い策略
そう言えば、小さい頃はよくこいつにおやつを取られたな。

私が食べ物に執着するようになったのも、こいつのせいかもしれない。従兄弟が集まるといつもおやつの争奪戦があった。

一人っ子だった私はこの家で生存競争を学んだのよ。

サンダルを脱いで居間に上がると、涼太は颯介に近寄り軽く頭を下げる。

「従兄の秋月涼太です。よろしく」

「藤堂颯介です。こちらこそよろしく」

颯介がにこやかに挨拶を返す。

何だろう。この二人の間に流れる微妙な空気。なんかピリピリしてない?

男同士ってこんな感じなのかな?

それから、夕飯はお寿司の出前を取り、和やかな時間が流れる。

颯介はすっかり溶け込んでいて、会話の中心だった。

田舎の農家の家に颯介がいる。

何ともミスマッチな構図だが、こいつの魅力がそれを忘れさせる。
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