俺様常務の甘い策略

一名を除いてはみんな颯介の話に夢中だった。

一名……それは、涼太。

涼太は颯介の話にニコリともせず黙々とお寿司を食べていた。

何が気に入らないのか……。ほんと、協調性のない奴。

それから、颯介、私の順でお風呂に入り、颯介のいる客間に戻ろうとすると、涼太が月を眺めながら縁側でビールを飲んでいた。

縁側に散乱する空き缶。夕飯の時も結構飲んでたのに、どんだけ飲むんだこいつは。

「あんた、飲み過ぎじゃない？そのくらいで止めといたら？」

わざわざ声をかけて注意してやったのに、涼太はビールの缶をゴクゴクッと一気に飲み干した。

「うるせー。お前の指図は受けねえ」

この酔っぱらいめ。注意して損した。

「はいはい。勝手に酔い潰れてろ」

涼太を一瞥して客間に戻ろうとすると、突然こいつに腕を掴まれた。

「ちょっ‼痛い‼」

「待てよ。お前も付き合えよ」