俺様常務の甘い策略
「はあ?何で私が?」

「……お前、あいつと本当に結婚するのか?」

涼太がチラリと私の薬指の指輪に目をやる。

「涼太、痛い!手を放しなさいよ!」

「質問に答えろよ。あいつ風間物産の社長なんだってな。おまけに国会議員の息子ときてる。サラブレッドを掴まえて満足かもしれないが、騙されてるんじゃないのか?あの顔だし、女に苦労はしてないだろ?」

こいつ……颯介が自分よりも凄い男だから嫉妬してるのか?

昔から無駄にプライド高かったよね。

「あんた、馬鹿?結婚するからこうして挨拶に来たんでしょうが!どっちにしろあんたには関係ないわよ!」

声を上げて涼太の手を振りほどこうとするが、こいつの力が強すぎてなかなか振りほどけない。

「関係ないだあ?」

私の言葉に涼太の目の色が変わる。

……なんか、ヤバイかも。私……地雷踏んだ?

でも、何で?

「お前が結婚なんて生意気なんだよ」

……生意気って……意味不明。
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