俺様常務の甘い策略
私って……凄くこいつに愛されてる。

「……いいわよ」

ボソッと呟いて、颯介に口付ける。

柔らかくて温かいその唇。

こうして二人一緒にいる時が一番幸せ。

キスが終わると、颯介が私の目を見てニヤリとした。

「彼女の実家でキスってスリルあるね」

「馬鹿」

私が颯介の目を見てそう呟くと、こいつは面白そうに微笑んで私にキスをした。

幸せな時間。

私はもうすぐ颯介と結婚する。もう誰にも文句は言わせない。

月曜になれば、私は藤堂沙羅になる。

結婚は始まり。颯介と一緒に歩んでいく未来。こいつと一緒なら私は強くなれる。





次の朝、玄関でみんなに挨拶して車に乗り込もうとすると、祖母がスーパーの袋に入れられたナスとトマトを私に手渡そうとする。
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