俺様常務の甘い策略
「昨日はよくもあんな事してくれたわね!」

「うっ、いてっ!」

涼太が身を屈めながら呻く。

ん?そんなに強くは殴ってないんだけど……。
大袈裟すぎない?

「痛がり過ぎよ。私はそんな怪力じゃないわよ!」

私がムッとすると、涼太はボソッと呟いた。

「昨日、お前の婚約者からもキツイのを一発みぞおちにもらったんだよ。お前ら、お似合いだよ」

え?颯介に?

驚いて颯介を振り返れば、颯介と目が合ってニヤリ。

……道理で大人しくなるはずだ。

「たいした男だよ。……幸せにしてもらえよ」

「当然よ」

涼太の言葉ににっこり微笑んで、こいつの背中をバシッと叩く。

「いてえ‼」

「あんたも悔しかったらいい嫁見つけなさいよ!」

私なりのエールを送り、颯介と一緒に車に乗り込む。
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