俺様常務の甘い策略
「何かお取りしましょうか?嫌いなものありますか?」

「ああ、パイナップルがちょっと苦手で」

男性がポリポリと頭をかく。

メガネかけてるけど、草食系でカワイイ感じ。私より年下だろうか?

理系っぽいし、この人もIT系かな?

私は皿を手に取ると、パイナップルは避けてメロンやマンゴーを軽く盛り付けた。

「私もパイナップルはあまり好きじゃないです。はい、どうぞ」

にっこり笑って皿を手渡すと、彼はにっこり笑った。

「ありがとうございます。僕は和久井幸太といいます。和久井製薬で研究員をしてるんですが、こういう立食パーティーって慣れなくて」

和久井製薬て言ったら有名じゃない!名字と社名が同じだし、ひょっとして御曹司?

思わぬ獲物に目が輝いてしまう。

研究者だけど、将来は跡を継ぐとか?だとしたらかなり美味しい。浪費家でもなさそうだし。

「私もです。どうしても壁の花になっちゃって。誰に話しかけていいのか困ってしまいますよね。私は秋月沙羅といいます。風間物産で秘書をしてます」
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