俺様常務の甘い策略
六年振りの再会。綺麗なストレートの髪でクールな印象だった彼女が、髪をカールさせて必死に可愛い女を演じている姿は見ていて滑稽だった。

秋月は全然わかっていない。

普段の自分がどれほど魅力的かということに。

結婚相手を探すのに必死なのはわかるが、彼女が話していた相手はどれもたいした相手じゃなかったし、彼女にも合っていなかった。

俺が素直にその事を伝えると、秋月は憤慨。

そんな彼女を相手にしているとワクワクした。

玉の輿を狙っているのに俺の事は対象外にしているせいだろうか。彼女の俺に対する態度には下心がない。いつも挑戦的な目で俺を楽しませてくれるのだ。

パーティを秋月と一緒に抜け出して嫌がる彼女を強引にバーに誘い、俺との再会を彼女に印象付けた。

秋月に手を出さなかったのは、俺への警戒心を解くため。欲しいのは秋月の身体じゃない。欲しいのは秋月自身。

あの綺麗な漆黒の目が俺を見て挑戦的な光を宿すのを、ずっと近くで見ていたい。それは、俺の勝手な我が儘。

俺が日本に戻ってきた今、秋月は俺のテリトリーにいる。
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