俺様常務の甘い策略
「その含みのある言い方止めてくれない?誤解を招くでしょう?そこの常務とはただ、高校と大学が一緒だっただけよ。じゃあ、田中さん、後の細かい事は私が確認するから、役員会議のお茶の準備しておいてくれる?」

秋月が田中さんの方を振り向いて指示を出すと、田中さんは唇をギュッと噛み締めながら「はい」と小声で頷いて部屋を退出した。

「藤堂、初日から面倒かけないでくれる?こっちはただでさえ忙しいんだから。あんたのせいで、段取りが滅茶苦茶よ」

「面倒ね。上司のサポートをするのが秘書の仕事だよね?何のためにいるの?」

俺が正論を言うと、秋月は怯んだ。

「うっ……それはそうだけど。そんな事より……あんた変わったんじゃない?以前は女の子困らせる事は言わなかったのに。田中さん、おろおろしてたわよ。あんたみたいなお金持ち、彼女は大好物なのに」

大好物と言われても全然嬉しくない。

……確かに以前は、女には誰にでも甘かったが今は違う。

社会に出て、色々と経験をつんで変わったんだと思う。
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