俺様常務の甘い策略
「仕事に女も男もない。でも、仕事が出来ないからって罵倒はしていないよ」

「あんたは顔が笑ってても、目が怖いのよ」

他の奴等が口が裂けても言えない事を、秋月は平気で口にする。

それでこそ彼女だ。

「見かけだけの女には辟易してるんだよ。仕事もしない秘書が側にいても邪魔なだけだ。まとわりつかれる前にわからせないとね」

「……あんたって、意外と人間不信よね?下手に金持ちで顔がいいと苦労するわね」

秋月が同情の眼差しで俺を見る。

「それは、褒め言葉と受け取って良いのかな?」

俺が面白そうに笑うと、秋月は興味なさそうに呟いた。

「どうとでも。好きにすれば」

秋月が不意に俺から視線を逸らす。

「投げやりな感じだな。秋月って、大学の時からずっと俺に冷たいし、俺の事を避けてるよね?」

「……別に」
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