俺様常務の甘い策略
「私だって忙しいんですよ!藤堂さんの歓迎会の準備で。やっぱり藤堂さんにはフレンチかしら?」

田中さんがいつの間にかプリントアウトしたフレンチの店のコピーを私達にヒラヒラと見せる。

変なとこでやる気見せるな‼

本来の仕事を何もやってないじゃないの?

今度から給料泥棒って呼んでやろうか。

私には田中さんが理解出来ない。

いくらイケメンで地位があって金持ちでも、自分のプライドを捨ててまであいつを自分のものにしようとは思わない。

藤堂の歓迎会なんて考えただけでもゾッとする。すでに初日から歓迎出来ない状況に追い込まれているし……。

どうせ開くなら送別会にして欲しい。そしたら、終始笑顔で参加してやるわよ。

「どっかその辺のファミレスでも予約しとけば?藤堂みたいなお坊っちゃんには新鮮で良いかもよ」

「何馬鹿な事言ってるんですか?それじゃあ、私のセンスが疑われます!」

……すでに無能と言う事を藤堂に知られてるでしょう。

歓迎会くらいであいつがあなたを見直すとは思えないけど。
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