俺様常務の甘い策略
藤堂が私の手からフォークを奪いローストビーフを突き刺して私の口に運ぶと、条件反射で私はそのまま口の中に入れてしまった。

肉も柔らかくて、オニオンソースも美味しい。

「ほら、ワインも結構いけるよ」

藤堂からワイングラスを手渡され、促されるまま一口飲む。

「確かに美味しいかも」

「だろ?だから、仕事はもうおしまい。これ、データ保存してあるよね?」

藤堂がパソコンの画面を指差す。

「保存してあるけど……」

私が言葉を濁しながら頷くと、藤堂はさっさとパソコンの電源を落とした。

「ちょっと!勝手に電源オフにしないでよ」

「上司の命令には従うものだよ。そんなに眉間にシワ寄せてたら早く老けるよ」

早く老けるだあ?

「余計なお世話よ!あんたがいなくなれば、そもそも怒ることもないわよ」
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