俺様常務の甘い策略
「大丈夫だよ。みんなには内緒って社長は言ってたろ?俺が秋月を餌付けしてるなんてバレないよ」

「そう言う問題じゃない!社長は絶対誤解してる。あんたと私が……」

「俺と秋月が何だって?」

藤堂の目が面白そうにキラリと光る。

「あんたと私が……ああ、もういい!」

私は藤堂の手を思い切り払い除ける。

落ち着け。冷静に考えるんだ、沙羅。

社長はみんなに私と藤堂の事を話すかもしれないけど、お酒も飲んでるしみんなきっと信じないだろう。

私と藤堂が恋人だなんて思わない。

うん、大丈夫、大丈夫。みんな社長が冗談言ってるくらいに思って聞き流すだろう。

もう考えるのはよそう。これ以上考えると頭痛がするし、目の前の料理が不味くなる。

「藤堂、ワインもっとちょうだい!」

私がグラスをつかんで差し出すと、藤堂は楽しそうにワインを注いだ。
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