俺様常務の甘い策略
「秋月さんじゃなくても、藤堂さんならもっといい女性と付き合えるはずです」

もっといい女性ね。余計なお世話だって思う。

俺が自分の女も選べないと言うのか?侮辱もいいとこだ。

「田中さんの言ういい女性の定義って何かな?君みたいに家柄が良くて、金持ちのお嬢さんの事?」

冷たい口調ではっきり言うと、田中さんは怯んで言葉に詰まった。

「そう言う意味じゃあ……」

「俺は秋月以外の女性を恋愛の対象にした事はない。秋月以外の女はいらないよ」

それに、秋月以外の女に結婚指輪をはめたいとも思わない。

俺は真摯な目で田中さんに向かってゆっくりと静かに告げる。

これ以上の口出しはもう許さない。

俺が誰を好きになろうと田中さんには関係ない。

俺の冷ややかな怒りが伝わったのか、田中さんは黙り込んだ。

「秋月より君に先に出会っていたとしても、俺は君の事を好きにはならなかったと思うよ。今の自分に満足してる?秋月に自分の仕事を全部やってもらって悔しくない?」
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