俺様常務の甘い策略
「う……ん、藤堂……」

寝ぼけている秋月の口から俺の名前が出る度、愛おしさが増す。

今までこんなに欲しいと思う女はいなかった。そんな自分に改めて驚いてしまう。

この状況だし、秋月を抱くのは簡単だ。だが、酔った状態の彼女を手に入れても何も嬉しくない。

それに、秋月が一番綺麗に見えるのは、俺に対して闘志を燃やしている時だ。

俺を見る時のあのキラキラした瞳に魅せられる。

どんな宝石よりも綺麗だし、俺にとっては価値がある。

俺ってほんとにこいつに溺れてるんだな。

「お仕置きだよ」

秋月の可愛い顔を見つめながら妖艶に微笑んで、彼女の首筋に口付ける。

理性を保ちつつちょっと名残惜しげに秋月から離れるが、彼女の首筋につけた赤い華を見て俺はニヤリとした。

「これくらいで今日は我慢してあげるよ」
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