俺様常務の甘い策略
8、厳しい現実
藤堂と再会してから毎晩、藤堂の夢を見る。

高校時代の懐かしい……いや、悪夢。生徒会で藤堂に奴隷のようにこき使われた日々。あれは悪夢以外の何物でもない。

世の中には生まれながらにしてカリスマ性を持った奴がいると私は思う。

天賦の才能を持ち、不思議と人を引き付け、人を導く。

幸か不幸か、私の身近にも無駄にそのカリスマ性を持った人間がいる。

それが、藤堂颯介。

成績は常にトップ。スポーツは何でも上手くこなし、性格は表向きは優しくて温厚。だが、その綺麗な顔の表情一つで人を操れるという悪魔。

私が毎日藤堂にこき使われてたのも、結局こいつに逆らえなかったからだ。

顔はニコニコしてるけど、こいつを本気で怒らせてはいけないのは本能でわかっていたし……。故に、口で文句を言いつつも、私は生徒会の仕事をサボる事はなかった。

ある日、藤堂に指示されて仕方なく文化祭のプログラムを作っていると、私はうたた寝をしてしまった。


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