俺様常務の甘い策略
「大丈夫だよ。寮には連絡入れといた。ほら、早く乗って」

藤堂に促されるまま二人で後部座席に乗り込むと、行き先を予め知らせてあったのか運転手さんが車を発進させる。

金持ちって凄いな。これって、藤堂家の車だよね。

呼べばすぐ来てくれるなんて便利よね。こいつ、電車とか乗った事あるんだろうか?

そんな事を考えながら五分くらい乗車していると、車は有名なハンバーガーのチェーン店の前で停車した。

「ここって……」

「お腹空いたでしょ?腹が減っては勉強も出来ないんじゃない?」

藤堂が私に向かって優しく微笑む。

高級なイタリアンとかフレンチのお店に連れて来られたらかなり引いたかもしれないが、ファーストフードは食べ慣れてるし大好きだ。

ああ~、今日は藤堂に後光が差して見えるよ。

藤堂、結構いい奴じゃん。

ルンルン気分でハンバーガーの店に入り、彼の奢りでデザートまで注文。

ハンバーガーとポテトをあっという間に平らげ、最後のデザートを手に取る。
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