俺様常務の甘い策略
最後のデザートは新作のラズベリーソースのかかったレアチーズケーキ。

至福のひとときだ。

「ああ~、凄く美味しい!藤堂、もう一個デザート食べていい?」

満面の笑みで藤堂に聞くと、こいつから意外な答えが返ってきた。

「……秋月、もうそろそろ起きないと会社に遅刻するよ」

会社……?遅刻……?

「……でも、ケーキもっと食べたい」

「朝食にケーキはないんじゃない?」

クスッと藤堂が笑う。

朝食って何?今、夕飯食べてるのに……。

「早く起きないと、俺が秋月食べちゃうかもよ」

耳元で藤堂の声がしたかと思ったら、首にふさふさした毛が当たって何かがペロリと私の鎖骨を舐める。

「ギャー!」

声を上げて叫ぶと同時に、一気に目が覚めた。

ペロリって何、今の?

犬?猫?って私ペット飼ってないじゃん!

自分で自分に突っ込みを入れる。
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