俺様常務の甘い策略
「秋月、叫ばないの。俺の鼓膜破れるかと思った」

「夢から覚めたのに何でまだ藤堂の声がするの?」

恐る恐る目を開けてみれば、目の前には藤堂の憎たらしい程格好いい顔があって……私はショックで言葉を失った。

「俺の夢見てたの?」

藤堂が嬉しそうに笑って私の頬を優しく撫でる。

私はまだ悪夢を見ているのだろうか?

何で藤堂と一緒にベッドで寝てるの?しかも、藤堂……上半身裸?じゃあ、私は?

チラッとシーツの下を覗けば、何故か下着姿。

何で?どうして?

考えても頭の中は真っ白と言うか、心臓がバクバクしてきて考える余裕もない。

「どんな夢見てたか教えてくれない?」

藤堂が私の耳元で面白そうに囁く。

その声に驚いた私は咄嗟に藤堂から離れようとしたが、こいつに腕を捕まれ組み敷かれた。

「藤堂?」

突然の藤堂の行動にかなり狼狽えた私は目を見張った。
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