俺様常務の甘い策略
「早いって何が?」

「男として責任取るから、秋月は何も心配しなくていいよ」

「責任?」

何よ、それ?結婚してやるって事?上から目線で言われてムカつくんだけど!

「何馬鹿な事言ってるのよ。私だって大人の女よ。たった一晩一緒に過ごしたくらいで、大げさにしないでよ」

プイッと藤堂から顔を背ければ、彼に顎を掴まれ無理矢理目を合わせさせられた。

藤堂の目が凄く怖い。こいつ……怒ってる?

「大人の女ね?その大人な女の秋月は、いつもこんな風に男にお持ち帰りされるわけ?」

責めるような口調。冷ややかなその眼差しに怯みそうになる。

「そんなわけないでしょう!」

声を荒げて否定すると、藤堂は急に真摯な目で告げた。

「お前は無防備過ぎるんだよ。男の前で酔い潰れるのがどんなに危険な事かこれでわかったよね?」

「自分の身くらい自分で……‼」

守りますと言おうとしたが、藤堂の顔が近づいて来て私の耳朶をカプッと甘噛みした。
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