雨空の後にかかる虹
布団の中から伸びた公生の腕が私の顔に触れた。そしてそのまま公生の顔の前に近づけられ唇が触れた。


柔らかい感触。唇が熱い。

キス…?


公生を突き飛ばして離れた。


「ん…」

公生はゆっくり目を開けた。


「夏芽…なにしてんの?」

「はっ?ちょっと今…」

「あぁ…入学式か。んで迎えに来たのか。」

えっ?キスは?

「今着替えて行くから待ってて」

公生がゆっくり布団から出た。


「玄関にいるっ!」


そう告げて私は玄関にしゃがみ込んだ。
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