アバター2
アバターナミ
リーン、リーン……とけたたましく目覚まし時計が鳴る。

川田は、眼をこすりながら時計を見た。

七時を指していた。勤務の交代は九時だ。それまでには2時間ある。
ナミのアバターは、呼べばいつでも来ると言っていた。

川田は、枕の下に隠している携帯を取り出し、データファイルに入っているナミのアバターを起動した。

ナミのアバターが画面前面に現れた。

「おはよう」
川田が言った。

「おはよう」
ナミのアバターは伏し目がちで、少し元気がないようだ。

「体調悪いの?どうした?元気がないみたいだけど」

「ちょっとね」

「ねーこっちに来てくれる?」

「いいけど、Hは無しよ」

「なんで、嫌いになったの」

「少し悩みがあるの……」

「アバターでも、悩みがあるの?」

「色々、あるよー」
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