アバター2
アバターは「任務、終わったら、また来るね」と言って、川田の唇に熱いキスを残して消えた。

川田は目を閉じ、死んだナミに少しの罪悪感を感じながら、満ち溢れた幸せに酔いしれている。
こんな幸せは生きていて初めてだ。ナミといる時にも感じた事がない。
この幸せ感はなん何だ。
川田の頭の中には、もう本物のナミはいない。アバターのナミが総てを消し去ってくれた。沖縄旅行も一緒に行ってくれると言ってくれた。
後は、アバターに嫌われないようにするだけだ。
艦長か副長のデータを渡せば、今月のノルマが達成されると言っていた。

川田の体は次第に重たくなってゆく。

「何かきついな?」
重たい体にムチ打って任務に戻った。

< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop