アバター2
夜の九時まで任務だ。あと六時間もある。
川田はだるい体に睡魔と戦いながらヘッドセットを頭につけ、ナミのアバターを思い出している。
アバターのテクニックはHの度に、すごくなっている。ソープでも経験できない事をしてくれる。
俺だけの物だ、ナミも死んだし、絶対手放せない。

艦長か副長の詳細なデータがいる。

「そう言えば!」

川田は何かを思い出した。

自分の机の引き出しからイージス艦みかさのパンフレットを出した。

1ページをめくると、艦長の写真とみかさの紹介文が載っていた。
「これで艦長の写真はゲットした。後は趣味だ」

となりの先任士長に近より、
「すみません」

先任はヘッドセットを少し下げた。

「申し訳ありませんが、ちょっと教えてほしいことがあるのですが」

「なんだ?」

「石場艦長の趣味とかご存知ないですよね??」

「なぜだ?」

「今度、退職する前に一緒に食事をするのです。何を話していいか分かりませんので、趣味でも探っておこうと思いまして…」

「そうか、俺の先輩で艦長と同期の者がいる。聞いといてやろう」

< 26 / 32 >

この作品をシェア

pagetop