アバター2
「はい」
川田は痛くない腹を押さえた。

「仕方ない。トイレを許可する」

川田はヘッドセットを外して、トイレに向かった。

「すぐに戻ってこいよ!」

「はい」

川田はトイレに駆け込んだ。
便器に座って、すぐにポケットから携帯を取りだしナミのアバターを開いた。

ナミのアバターがなかなか現れない。

川田は換気扇の吸込口に携帯を持っていった。

「おかしい。ナミが現れない!」

川田は何度もナミのアバターを携帯のデータファイルから起動したが現れない。

「どうなっているんだ!データが消えたのか!おーい!」
川田は汗をたらしながら必死で携帯を操作した。

画面にナミのアバターがゆっくりと現れた。
「ナミー!」

「もう。何度も呼ばないでよ!」
ナミのアバターは怒っている。

「会いたい!今来てくれー!」

「任務が終わってから行くと言ったでしょ。それにトイレの中でしょ。臭いよー」

「会いたい!」

「もうー!1分だけ行く!」

ナミが怒りを露にして狭いトイレの中に現れた。

「何考えてるのよー!」
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