アバター2
川田は、居て立ってもいられない、任務は後10日もある。早く海自を辞めて沖縄に行きたい。ナミに逢いたい。
刑務所で出所を待つ受刑者ように気持ちはもうシャバに上がっている。

「後、10日か。長いなぁ」

時間の過ぎるのは平等だと言うことは分かっている。だが海上任務の時間が長いのには耐えられない。普段の三倍はある。
日本近海はいたって穏やかで、何も起こらない。何も入ってこない無線に集中しなければならない。とにかく眠い。任務の前にコーヒーをがぶ飲みするが何も効き目はない。敵は中、北では無い。睡魔だ!
たまに入ってくるのは漁船の無線だ。いつも同じように「今日も魚が少ない……」と言っている。
眠たい目をこすりなが必死で無線を聞いている。とにかく眠い。もう海に飛び込んで陸に上がりたい。早く海自を辞めたいと川田は、陸に上がれる日を指折り数えていた。
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