アバター2
《今は、お休みですか?》

「あー。休みだ」

川田は思わず自分のアバタに返事をした。

≪私は、ナミさんによって作られました≫

「えー。知っているよ。ナミは元気か?」

≪わかりません≫

「そうだな、そこまで分かる分けないか」

≪ナミさんのアバターもありますよ≫

「そうなんだ」

川田はメールを見直した。
添付ファイルがもう一つあった。
すぐにそれを開いた。
携帯の液晶画面に自分のアバターの代わりにナミのアバタ-が現れた。服はトロピカル調で、真っ白のショートパンツに青い派手なTシャツを着ている。足は、ピンク色のでっかいサンダルを履いている。

《まさる。元気?》
ナミのアバターが喋った。

「なんとか元気。陸に上がれるまで後10日もある。気が狂いそう」

《たいしたことないじゃん、頑張れ!》

「沖縄の夢を見て頑張るしかないよ」

《ねー。そこに行っていい?》

「どこに?」

《まさるの横》

「まさか!」

《行くよ》

ナミのアバタ-が川田の横に現れた。
顔はマンガチックで本物と多少違うが、声は全く同じだ。

「どうやってきたの?」

「ナミもわかんない」

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