冴えない彼をプロデュース!!
「す、凄い」
先ほどまで足元へ注がれていた視線を
ちらりと前へあげれば
思わず言葉が漏れ、皐は息を飲んだ。
見渡した室内はとてもではないが綺麗とは
いい難いほど 「旧校舎」と言われるだけあって
至る所に柱には傷があったり
壁にはきっと何か飾られていたのであろう
長方形や正方形など日焼けして色が薄く
なっている箇所がいくつかある。
だがそんな跡など気にもならないほど
壁には何枚もの写真が飾られていた
きっと歴代の写真部員たちが撮ったのだろう
年代はそれぞれバラバラで カラー写真もあれば
日に焼けているものや
モノクロのものまで様々
どの写真達もまるで
「私を見て」といわんばかりに
次々と1枚1枚
皐の目に止まる。