冴えない彼をプロデュース!!
手を洗いながら視線を前へ上げれば
鏡に自分の姿が映る。
ほんと嫌になる
染めていない黒い髪は光を受けると少し
茶色に透ける
癖のないは髪は鎖骨まで伸び
綺麗に切り揃えられ清潔感に溢れている
その黒髪に対し肌は白く
ニキビや肌荒れの無い透き通る
TVのCMで化粧商品の宣伝をしているアイドルや女優に負けていない
透明感、まさに美白その上小顔で
パッチリ二重のクリクリした目には
フサフサと付くまつげは長く太い
鼻筋は通っているのに小さく
チョコんとついた鼻は実に女の子らしく
唇はグロスを塗っていなくても
プルプルと光って本人の可愛さを引き出す
その可愛さとは裏腹に 手足は細く長い上に
出るところは出て
締まるところは締まっている
自分でも言うのは自意識過剰かもしれないけど
容姿はかなり可愛い部類に入ると思う
しばらく自身を見つめて から
出しっぱなしになっていた水を止めた手で
ゴツン!!
皐は力いっぱい鏡に映る自分を殴った。
「こんなのコンプレックス意外のなにものでもねーつーの!」
「あーー!!!ほんと腹立つ!!」
ドスドスと、足音をたてながら皐は女子トイレを後にした。