妄想ラブレター



「は、はぁぁ……!?」



二本のお箸の間をすり抜け逃げ出そうとしていたミートボールをお弁当箱でキャッチし、それを横目で確認しつつカンを穴が空くほど見つめた。

カンがどんな顔してそんな事を言ったのか、確かめたくて。


最近よく言われるようになってたけど、まさかカンの口から聞かされる事になるとは思ってもみなかった。


だって、あたし達とよくつるむカンまでがそんな事言うなんて……。



「なんでそーなんのよ」

「なんだ、違うのかよ」

「違うし!」



あたしがそう言うと下がってた口角をあげて、にやりと微笑んだ。



「それもそうか。アキはずっと先輩一筋だもんなー?」

「ばっ! ちげーし!」



せん、ばい……?



「さっさとあっち行けって!」

「なんだよー、照れることねーじゃん」



一度背中を見せていたカンが、再びアキのそばへと戻ってきた。


その表情は不快なほどに、憎たらしい笑顔で。



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