妄想ラブレター
「それなら、いいけど……」
ここで話が途切れた。
でもアキは前を向いた素振りは無い。またいつものように壁に背中を預けて座ってるに違いない。
あたしは顔を上げない。なんかわかんないけど、今はアキの顔をまともに見たくなかったから。
心の中がもやもやして、晴れない。
今朝からずっと雪村先輩の残像が脳裏に焼き付いてるし。
アキの好きな先輩。
一体いつから好きなんだろう。
この席になる前からだよね。少なくとも3ヶ月前から好きだよね。
もやもやもやもや。
全然眠れない……。
「……なぁ、ツヤコ」
「んー?」
今度はなに?
「……」
「……」
「……」
「……?」
なんだよ。無言? 話しかけといて?