妄想ラブレター
「ちっ」
「あっ、ほらまた」
「舌打ちじゃないし。口笛だし」
「ははっ、そんな口笛あるかよ」
「ありますぅ~。ちっちっちっ……」
「あっはっは! それやっぱ口笛じゃねーし、間違ってるし」
「ぷっ、もーうっさいなぁ瀬戸はー。寝れないって言ってんでしょー」
観念したあたしは、顔をあげて笑った。
気がつけば、この席になってもうすぐ1ヶ月が経とうとしていた。
半年間会話という会話をした事がなかったクラスメイトの瀬戸くん。
けれど、いつしかお互いを呼び捨てで呼び合うほどの仲になってた。
話してみると彼はとても気さくで明るい性格だった。
思ってたよりも話しやすくて、毎日こうやって何かしらのちょっかいをかけてくるけど、それも別に嫌じゃない。
なんだかんだ言ってもちゃんと空気は読んでくれるし、意外にも彼との会話は楽しいと思ってる。